形成外科は何を治すの?

医療コラム

形成外科は何を治すの?

形成外科はあまり馴染みがない科で、どのような病気を治すのか分からない方も多いと思います。形成外科は、主に体の表面の形態に関する疾患を取り扱います。身近なところでは、ホクロや粉瘤などの皮膚腫瘍、ケガの縫合、術後の傷跡(ケロイドなど)の修正、火傷などの治療を行います。この他、顔面骨骨折、褥瘡、糖尿病や虚血から生じる難治性潰瘍、生まれつきの形態異常(副耳や口唇裂など)などの治療も対象になります。形成外科は、これらの疾患を手術だけではなく、適切な処置や管理を行うことで、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、生活の質の向上に貢献していく科です。

皮膚のできものやキズなど、どうしたらいいか迷ったら、まずはご相談ください。

 

皮膚腫瘍

ホクロにみえても、ウイルス性のできものやシミなどの場合もあり、それぞれ治療法が異なります。当院では手術以外に液体窒素での治療も行っています。

また脂肪腫や粉瘤といった皮膚のできものの治療も行えます。

この他、ずっと治らない湿疹が悪性腫瘍であったということもあります。気になるできものがあれば、まずはご相談ください。

 

やけど

やけどの深さにより、使う軟膏や処置の方法も変わります。やけどの状態によっては手術が必要になることもあります。やけどをしてすぐに適切な治療を行うことで、その後のキズの見た目も変わり、手術をしないですむこともあります。やけどをしたら、できるだけ早く病院でみてもらうようにしましょう。

 

傷跡

一度傷跡ができると、傷跡を全くなくし何もなかったときと同じにすることはできません。しかし、形成外科では、手術やキズの処置によってなるべく傷跡を目立たなくすることができます。

 

難治性潰瘍

虚血や糖尿病などが原因で起こる足の潰瘍があります。虚血や糖尿病が原因の場合は、ちょっとしたキズでも、適切な評価(足の血流など)と治療を行わないと、どんどん悪化し、足が壊死し足を失うこともあります。当院では、必要に応じて、他の科とも協力し診療にあたっています。小さなキズだからとそのままにせずに、キズの治りが悪いようであれば、早めにご相談ください。

 

原発性局所多汗症

発汗に関与するコリン作動性交感神経が興奮しやすいことが一因と考えられています。当院では、外用剤やボトックス治療を保険治療で行うことができます。

ボトックスは直接脇に注射をすることで発汗に関与する神経の興奮を抑制し、発汗を抑えます。注射には痛みを伴いますが、効果は4-6ヶ月程度持続します。

形成外科外来の診療について

形成外科  山津幸恵 

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